
2019年08月


仕事のミスによりラグビー部に迷惑をかけてしまったと自分を責める佐々選手。
思い余ってGMに辞表を提出。
一旦預かるも、仕事のミスは佐々選手のせいではなく、取引先の事情であることを知る。
その事実を確かめた後に、佐々選手の慰留に向かう。
その際のGM君嶋隼人の言葉。
……
『うまくいかないことを会社や組織のせいにするのは簡単だ。でも大事なことはそこから今自分たちに何ができるかなんだよな。
ひとつひとつなんだよ。
チケット一枚一枚、ワンプレーワンプレー、それをひたむきに積み重ねることで、きっと逆転の目はあるはずだ。
仲間のためにタックルをして、パスを繋いで、チーム全員で結果を出そう。
その時は我々ラグビーが必要ないなんて誰にも言わせない。
言わせてたまるか。
だからもう一度一緒にやろう。
アストロズには君が必要だ。』
君嶋隼人
………
退職意思を表した部下の慰留方法については、
私は企業リーダー研修の中に、要望があれば取り入れています。
失敗例として多いのが、
「辞めてどうする」
「どこに行っても一緒だぞ」
「何があったか話してほしい」
「もう一度考え直してくれないか」
「転勤や部署移動という方法もあるぞ」
などです。
これでは全く慰留などできません。
●仕事そのものの意味や重要性を説き、一旦視野を広げるように大切なポイントを明確にする。
『うまくいかないことを会社や組織のせいにするのは簡単だ。でも大事なことはそこから今自分たちに何ができるかなんだよな。』
●慰留のための具体的な行動を起こし、その姿を部下に見せる(口先だけでなく)説明する。
●部下の日頃の努力の姿や価値観がいかに素晴らしいかを示す。(間違ってないことを示す)
『ひとつひとつなんだよ。
チケット一枚一枚、ワンプレーワンプレー、それをひたむきに積み重ねることで、きっと逆転の目はあるはずだ。』
●部下が本当に思っている核心に触れる。
『仲間のためにタックルをして、パスを繋いで、チーム全員で結果を出そう。』
●上司の思いと部下の思いの共感を引き出す。
『その時は我々ラグビーが必要ないなんて誰にも言わせない。
言わせてたまるか。
だからもう一度一緒にやろう。』
●承認を行う
『アストロズには君が必要だ。』
情熱や共感力、具体性や説得力、承認力、本心を聴く洞察力と傾聴力、そして話の構成力と表現力が必要です。
何より、普段からの上司の人間力が必要なことは言うまでもありません。
……
引き留めた佐々選手が、その後の努力と実際のゲームで大活躍したことは言うまでもありません。
企業研修時、
退職の意向を示していた人が、踏み留まり、その後大活躍した方の姿は枚挙に暇がありません。
仮に退職した場合、会社側の損失は計り知れなかったでしょう。
またご本人も自身を生かしきれずに退職してしまうのも実にもったいないことです。
……
企業のリーダーの方には是非身につけていただきたい『慰留のスキル』です。
尚、今、退職代行なる代行業が広がりつつあります。
代行されますと、ほぼ慰留の機会(チャンス)を失います。
ですので、リーダーもこのあたりにも対応していく必要が出てきます。
常に環境が変わります。
リーダーも変わっていかねばなりません。

